医療保険を解約した数カ月後に、がんと診断された話

黒いトイプードルがクッションの上にいる画像 膀胱がんの体験記

がんになる前の私は、
「健康だけには自信がある」
と思っていました。

大きな病気をすることもなく、入院することもなく、
まさか自分ががんになるなんて、想像もしていませんでした。

だから私は、医療保険を解約しました。

理由はいくつかありました。

私の加入している健康保険には、付加給付があること。
日本には高額療養費制度があること。
もしもの時には、住宅ローンの団体信用生命保険、いわゆる団信があること。

そう考えると、
「医療保険はなくても大丈夫かな」
と思ってしまったのです。

でも、その数カ月後に、がんと診断されました。

今となっては、医療保険を解約したことを悔やむ気持ちがあります。

もちろん、保険を解約した判断が完全に間違っていたとは言い切れません。
実際に、高額療養費制度にはとても助けられました。

入院費は、個室を利用して12万円ほどでした。
もし高額療養費制度がなかったら、もっと大きな負担になっていたと思います。

以前は、限度額適用認定証というものを事前に準備する必要があった記憶があります。
でも今回は、マイナンバーカードを健康保険証として使うことで、事前の手続きなしで済みました。

これは本当に便利でした。

病気になると、治療のことだけでも頭がいっぱいになります。
その中で、医療費の手続きまで複雑だと、さらに不安が大きくなります。

だからこそ、こういう制度があることは本当にありがたいと感じました。

そして、もうひとつ心の支えになっていたのが団信です。

住宅ローンを組む時に入っていた団体信用生命保険。
がんと診断されたことで、団信がおりるのかどうか。
そこは、当時の私にとって、とても大きな関心ごとでした。

お金の不安が少しでも減ることは、病気と向き合う時の心の支えになります。

がんになって初めて、
「制度を知っていること」
「自分がどんな保障に入っているか把握していること」
「もしもの時に、どこからお金が出るのか知っていること」
の大切さを痛感しました。

付加給付について

付加給付という制度を、知らない方もいるかもしれません。

付加給付とは、公的医療保険の高額療養費制度に加えて、一部の健康保険組合や共済組合などが独自に行っている上乗せ給付のことです。

高額療養費制度では、1か月の医療費の自己負担額に上限があります。
その上で、さらに健康保険組合などが独自に自己負担の上限を低く設定している場合があります。

たとえば、1か月の医療費が高額になった場合でも、健康保険組合の付加給付によって、最終的な自己負担がさらに少なくなることがあります。

ただし、付加給付はすべての人にある制度ではありません。

加入している健康保険組合や共済組合によって、制度の有無や内容が違います。
協会けんぽ、国民健康保険、後期高齢者医療制度では、一般的にこのような健康保険組合独自の付加給付はありません。

また、差額ベッド代、入院時の食事代、文書料、保険適用外の費用などは、対象外になることが多いです。

自分の健康保険に付加給付があるかどうかは、加入している健康保険組合や共済組合のホームページ、または職場の担当部署に確認しておくと安心です。

***制度内容は加入先や時期によって異なるため、必ずご自身の健康保険組合等に確認してください***

病気になる前に知っておきたかったこと

私は、がんになる前に医療保険を解約しました。

その判断には、その時なりの理由がありました。
でも、実際にがんと診断されてみると、
「やっぱり医療保険があったら、もう少し安心できたかもしれない」
と思うこともありました。

病気になると、治療そのものだけでなく、お金のことも大きな不安になります。

高額療養費制度がある。
付加給付がある。
団信がある。
医療保険がある。

どれが正解というより、
自分にとって何が安心材料になるのかを、元気なうちに考えておくことが大切だと思いました。

健康な時は、病気になった時の気持ちはなかなか想像できません。

でも、実際にがんを経験して思うのは、
「自分は大丈夫」と思っていても、人生には突然予想外のことが起こるということです。

制度に助けられたこと。
保険を解約したことを悔やんだこと。
団信が心の支えだったこと。

これらは、実際に経験して初めてわかったことでした。

この経験が、誰かが自分の保険や保障について考えるきっかけになれば嬉しいです。

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